りんかい日記

"うまくやる"ための試行錯誤

同僚を送る

長期休職に入る同僚と酒を飲んだ。まったく知らなかったのだが、雇用保険のサービスメニューに、育児休業給付金というものがあって、出産を機に休業すると、生まれた子供が1歳になるまで、給料の50~67%程度の金額を給付してもらえるらしい。夫婦共働きで、双方とも休業し、お互いの故郷でしばらく過ごすのだという。

男性の育休取得率の低さ、出産に伴うキャリアの中断、パートナーのケア等々、働きながら子供を産み・育てることについては、おそらく数々の言説があるのだろうし、そして僕は、数多の言説に対する感度はさほど高くない。早々に復帰するのも決断だし、目一杯休むのも決断だし、それぞれが抱える事情のなかで取りうる精一杯の判断をしていると思うのだけど、そうした言い訳を長々並べ立てたうえで、僕は同僚の判断をカッコいいと感じた。

カッコよさを感じたのは、その決断を通して垣間見える、仕事との距離のとり方が、僕の志向しているものと近しかったからだろう。会社勤めを手段としての地位に隷属させ続けるのは、思いのほか難しいと思っていて、それは、働いていると多かれ少なかれ楽しい局面はあるから、職場の離脱が勿体ないことのように感じられてしまうからだと、僕は考えている。けれど、人生の意味の給源として会社にどれほどの強度があるかを考えると、距離を置いた付き合いをするほうが良いように思える。常日頃の労働への投入工数を考えると、労働でなくてもよいオプションが存在するならば、迷わずそちらを選ぶぐらいのほうが、バランス感覚に優れているように、僕は感じてしまう。